ジャンプは成功と失敗を見分けやすい大技で、総合評価を大きく左右する重要な要素です。ジャンプの種類を見分け、その質の評価の仕方を理解することで、フィギュアスケート観戦の視点が深まり、より楽しむことが出来るようになります。
AXEL アクセル


前向き姿勢で踏み切る最高難度ジャンプ
まずは、難易度が最も高いアクセルジャンプ。アクセルジャンプの特徴は、前向きで踏み切ること。6種類のジャンプの中で、前向きのまま踏み切るのはアクセルだけなので、技術的には高難度でも、見分けることは比較的簡単です。
着氷は常に後ろ向きですから回転数は1/2回転加わり、1回転半がシングルアクセルとなります。
男子選手にとって、トリプルアクセル(3回転半)で得点を稼ぐことが上位に食い込むための重要な鍵になります。しかし前向きで踏み切るのは難しいため、選手によってはさらに高難度とされている4回転トウループのほうが得意という人もいます。
当然、女子にとってはことさら難しいジャンプとなり、トリプルアクセルを成功させた女子は過去に数えるほどしかいません。現在でも、浅田真央選手のように確実に跳べる選手は少ないのが実情です。
LUTZ ルッツ


左足“外側”に体重が乗ったらルッツ
アクセルの次に難しいとされるのが、ルッツジャンプです。
ルッツは、少し長めに左足の外側エッジに乗って後ろ向きに滑走し、左肩をぐっと入れて右のトウをついて跳びます。滑走で描いてきた軌跡と反対の回転をかけながら踏み切るので難しいとされるジャンプです。「左足外側エッジ」というのが重要なポイントで、これが「左足内側エッジ」に体重を乗せてしまうと、正しくないエッジと判定されて減点対象となります。
長く左足で後ろ向きに滑走して跳ぶ選手と、右足で滑走して踏み切る直前に左足を右足にかぶせるようにクロスさせて踏み切る選手がいます。後者の場合、フリップとよく似てきます。
FLIP フリップ


フリップを見極めたらジャンプ通
前述のとおり、ルッツと非常によく似ているので見分けるのが難しいのがフリップジャンプです。
ジャンプする直前に左足内側のエッジに乗り、右のトウをついて跳びます。慣れるまで、なかなかルッツとの見分けがつかないかもしれませんが、前向きに滑走して踏み切る直前にぱっと後ろ向きになって跳ぶことが多いので、これを1つの判別ポイントにしてみてください。会場で見分けられなかった方は、テレビでの観戦の機会に解説を参考にしながらじっくり見てみるといいでしょう。
フリップとルッツの判別がすぐにできるようになったら、あなたも“ジャンプ通”になった証拠です。
LOOP ループ


ジャンプ直前の腰掛け姿勢がチェックポイント
右足踏み切りで、トウを使わないジャンプがループジャンプです。
右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。
最後に紹介するトウループも同じように右足外側エッジに乗って跳びますが、トウループはフリーレッグのトウを氷につくので判別は容易でしょう。
比較的難易度の低いループは、トウループと同じくコンビネーションジャンプの2番目に跳ばれることが多いジャンプでもあります。ただし、着氷した右足でトウピックの助けなしに再び跳び上がらなければならないため、トウループよりも難しいとされています。
SALCHOW サルコウ


安藤美姫が4回転を決めたジャンプ
サルコウジャンプは、ループ、トウループと同じく、ジャンプする直前の体の進行方向が、ジャンプの回転方向と同じです。そのため滑る勢いをそのままジャンプに生かしやすく、比較的難易度が低いとされるジャンプです。
左足内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、瞬間、内股が「ハ」の字になります。踏み切るときにスキーのボーゲンのような体勢になったら、サルコウと判断できると思います。
比較的易しいジャンプなので、男子ではトウループに次いで4回転ジャンプに使われるジャンプです。日本の安藤美姫選手が、女性では初めての4回転ジャンプを決めたのもこのジャンプです。
TOE LOOP トウループ


用途多様なナチュラルジャンプ
最後に、いちばん易しいとされるのがトウループジャンプです。
右足外側のエッジに乗り、左足のトウをついて踏み切ります。ループと同じく、滑ってきた軌道を利用しながらトウをついて跳ぶので、最も跳びやすいジャンプとされ、観戦者の目には、自然の流れに乗って跳んでいるように見えます。
男子シングルで跳ばれる4回転は、その大半がこのトウループです。また、コンビネーションジャンプの2つ目に跳ぶジャンプとしてもよく使われますから、競技中、いろんな場面で見ることができるジャンプでもあります。








